資本主義は右肩上がりの成長を前提としているから、スピードと結果を求められる社会だ。
それがあまりにも意識の奥深くに根付いていて、スピードと結果という牢獄から抜け出すのはなかなかに難しい。
僧侶の世界:60代で少し喋れる幼稚園児
修行中に言われた言葉が印象深く残っている。
僧侶の世界は60代でようやく少し喋れる幼稚園児のようなもの。
真剣にやっていると、生活に困ることはないから、安心して研鑽を重ねて下さい。
僧侶の世界は、スピードや結果を現代の社会ほどには求められない。
毎日丁寧な暮らしをして、毎日少しずつ自分を磨いていく。
忙しく過ごしているビジネスマンとは真逆の晴耕雨読という生活に近いかもしれない。
でも、考えてみると人間らしく価値のある生き方は、スピードや結果を求める生き方よりも、一生を掛けて自分を磨いていくことなんだと思う。
確かに年齢を重ねたからこそ分かる感覚というのはある。
膨大な余暇が生まれる時代
テクノロジーの進化によって、すべての人に膨大な余暇が生じるような時代が遠くないうちに実現する。
産業革命のときには、今までの仕事がなくなった人が多く出たというが、今後はその時代よりも急速な変化が生まれると予測されている。
スピードと結果を求めていた社会の価値観も大きく変わるだろう。
アーティストというのは、好きな時間に起きて、眠って、好きな時間にアートして、悠々自適な生活をしていると思われている。
アーティストをやってきて感じることは、アートで人の生き方を変えることは出来ないということだ。
僕らが出来るのは、窓の外で楽しげに遊んでいることを、部屋の中の人に観てもらうことだけだよ。
ウィーンでアーティストのアシスタントをしていたときに、言われた言葉だ。
晴耕雨読・悠々自適。
そういう生き方を社会に示して、価値観を変えていくことも、僕らであれば出来るのではないかと思う今日この頃だ。
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