
多くの人は努力したら努力しただけ成功への近道かと思っているかもしれない。ウサギとカメの寓話があるけど、ウサギが眠らなかったらぶっちぎりだ(笑)
もし、24時間集中出来て、食事も睡眠も必要のない身体だったら、それも可能かもしれない。でも、残年ながら脳や身体はそのようには出来ていない。
タイムパフォーマンスやコストパフォーマンスを求めすぎるのは、逆にタイムパフォーマンスもコストパフォーマンスも悪くなる。
偉人と自己管理
本当の一流って呼ばれる人は、過度の努力は却ってマイナスになるということを経験して、上手に自分をコントロールしつつ、それを実践しているようだ。
長期間に渡って第一線で活躍する人は、自己管理能力が驚異的に高い。
塚原卜伝
戦国時代の話。剣豪の塚原卜伝に1人の若者が弟子入りした。

先生コツコツ修行すれば、どのぐらいで剣の奥義を会得できますか?

お前は筋が良い。
5年ぐらいで会得出来るだろう。

では寝食を忘れて修行すればどうでしょう?

それだと10年は掛かる。
不思議に思った若者は更に質問した。

では私は死に物狂いで修行します。
これならどうでしょう?

おいおい、それでは一生掛かっても会得出来んぞ。
ちゃんと寝て、ちゃんと食べて、無理のないペースでコツコツ継続することが大切ということだ。
大谷翔平
大谷翔平は「トレーニングルームに住んでるんじゃないか?」と言われる程にトレーニングばかりしているそうだが、リカバリーを重要視していて1日12時間程眠っているという。食事もリカバリーもトレーニングの1つという意識があるのだろう。
2021年シーズンは大谷翔平が大活躍!何が今までと違うかといえば、練習しすぎないことだそうだ。野球が好きすぎて、いつも監督から「練習しすぎだ」と注意されていた。
2021年シーズンは本格的二刀流でほぼ毎試合出場。
疲労をためないことに重きを置いているようで、試合前の打撃練習にはまず出てこない。自身も以前「数を振ると、その分疲労がたまる」と語っており、試合でエネルギーを爆発させることに注力しているそうだ。
村上春樹
作家の村上春樹さんは、1日に原稿用紙10枚ほど、執筆するそうだ。どんなに気持ちが乗ってきて、更に書きたくなっても、10枚で必ずやめるという。

長く続けるためには長距離走と一緒で、一定のペースを守ることが大切。
調子に乗ってスピードを出しすぎると、リズムが崩れてあとで息切れしてしまう。
確かに、作家には調子の好い時にガーッ!書いて、鬱のときは玄関に「今鬱です。誰とも会えません。」と張り紙をする北杜夫さんのようなタイプもいる。
僕も調子が好い時には、ブログを可能な限り更新するけど、翌日は全く書きたくなくなって1つも書かないこともある。
課題の量を決める人は多いと思うが、更に大切なことは「これ以上はやらない」という上限も設定することだ。
羽生善治
大棋士の羽生善治は小学生の頃は、詰め将棋を考え続けて、気付いたら朝になっていたということが度々あったそうだ。
それほど集中することが成功への近道かと誤解されるかもしれないが、

将棋から離れる時間を積極的に取ることにしています。
公園でボーッとしていたり。無理のないペースで!
自分もそうだけど、塚原卜伝の弟子や小学生の頃の羽生善治のように、寝食を忘れて努力すればするだむ結果が出ると誤解している人も多いように感じる。
でも、人生は短距離走ではなくて、マラソン。自分なりの無理ないペースでないと、肉体的にも精神的にもいつか折れてしまう。
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