
初回の入院の時、絶望に沈んでいた頃、ベテランの看護師に言われたことがある。

心の病になることは、悪いことばかりではないよ。
自分が辛い思いをしている分、人に優しくなれるから。
確かに、統合失調症Lineグループ「すきゾ!」 を運営していると、驚くほど繊細で優しく穏やかな人ばかりだ。
それは「苦しみから生まれる利他主義」というらしい。

怒りは「水に流す」
初回の入院が終わり退院してしばらくは、やり場のない「怒り」で、ちょっとしたことでも常にイライラしていた。
でも、あるとき怒り過ぎたのか、頭の中でプツンと音がして「怒り」に繋がる思考回路が切れたような体感があった。
実際それ以降は、以前なら怒ってたような場面でも、全くと言って好いほど「怒り」を感じないようになった。
怒ってよ!面白くな~い!!
小学生などが、僕を怒らせようとしてイタズラしても、イライラもせずに普通だった。

何で怒らないの?
面白くな~い!
と、言われたこともあるし、

何でそんなに優しいの?
あたし相当ワガママだから、たまには怒ってよ。
そんなこともあった。
普通の人が「怒り」を感じる場面でも、ほとんど怒らなくなっている😀
怒りは「水に流す」
「水に流す」 これは日本独特の「ゆるし」の表現だ。
水に恵まれ、水と共に生きてきた日本人の「幸福に生きる智慧」
水は流れている状態は美しくて清らかだけど、流れが止まって淀むと濁って腐臭を放つ。
過去の嫌な出来事や失敗にこだわって、憎しみや怒りや後悔を後生持っていると心が淀んでくる。
だから「水に流す」。
これは憎い相手、許せない相手を許すことではなく、ドロドロの感情を抱えて苦しんでいる自分を「許す」ということだ。
「水に流す」とは決して「出来事をなかったことにする」ということではない。
統合失調症という辛さの恩恵
これほど精神的に高まったのは、看護師に言われたように、精神疾患という強烈な病的な「怒り」や絶望的な「辛さ」を経験したからだと思っている。
振り子はやがて逆に振れる。
精神疾患の「辛さ」や「怒り」の対極にある「優しさ」や「穏やかさ」にたどり着いたということだろう。

家族の中で1番優しい人が心を病みがちだよ。
全てのストレスを受けてしまうから。
という医師もいるように、元々の「優しい」性格もあるとは思う。
でも、1番の理由は「怒り」や「辛さ」を乗り越えてきた分、人に対して「優しく」なれるんじゃないかな🎵
魅力的な容姿
オフ会に参加すると、魅力的な容姿の人の割合も多い。

人に憎しみを持たないようにすると、必ず綺麗になりますよ。
やさしい心と奉仕の精神が美しさと若さを保つ何よりの化粧品なのです。
怒りをなくすこと

仏になるためには48の段階があって、1番目は怒りをなくすことだ。
怒りがなくなったら、自然と次の階段が見えてくる。
修行中にそういう話を聞いたことがある。
もし、僕らの生きる目的が自分の心を磨くことだったとしたら、統合失調症を初めとする精神疾患は、それほど悪いものではない。
普通の人にある「怒り」という幼い感情を早い段階で解決出来る可能性が大きいってことだから。
統合失調症になることは、崇高な宗教体験をすることと同義だった時代と地域もある。
精神的成熟のためには、むしろ歓迎しても好いのかもしれないよ✨