法話
僧侶だから法話することもある。
若い頃は、そこまで真剣になれなかったのだけど、顔を知った人がどんどんと亡くなり、歳を取ると若い頃のように身体は動かない。
そうなると、次は自分の番が来てもおかしくないと感じるようになって、人に安らぎを与えられるような法話をしたいと自然に思うようになった。
色々と勉強して泥臭く1歩ずつ進んでいる時期だ。
山火事の火を消そうとするオウム
ある仏典の寓話に山火事の火を消そうとするオウムの話がある。
山の竹林が火事になった。
動物たちが逃げまどっている中、一羽のオウムが池の水に羽を浸しては空へ飛び、燃え盛る火へ滴を注ぎ続けた。
今まで生活を支えてくれた山や竹やぶの恩を思うと、そうせずにはいられなかった。
その姿を見た神がこう言った。
「お前の心はけなげである。しかし、この大火をどうして羽の滴ほどで消すことができようか」
「やらずにはおれないのです。できないはずはない。私はどうしてもやります。次の生に及んでもやり抜きます」
神はオウムの志を讃えて、天から雨を降らせた。
『雑宝蔵経』より意訳
これって本当に真剣になると、不思議な力で守られ導かれるという宇宙の真理なのではないかと思う。
全身全霊で
不世出の政治家の田中角栄は人を惹きつける演説で有名だ。
分かったことを言うな。
気の利いたことを言うな。
そんなものは聞いているものは1発で見抜く。
借り物ではない自分の言葉で、全力で話せ。
そうすれば初めて人が聞く耳をもってくれる。
相手に心を向けていないと、どんな上手い話をしても見抜かれる。
全身全霊で話すと、拙いながらも真剣は伝わる。
そして、その想いが実って田中角栄のような演説が出来るようになるのだろうな。
一所懸命
一所懸命とは「1つの所に命を懸ける」と書く。
人類が誕生して以来、1つのことに本気で取り組んでいる人の姿を見て、心を動かさなかった人はいません。
一所懸命や本気は人の心を動かす。
努力も才能もどちらも必要かもしれないが、それ以上に真摯な姿勢を持っているということが重要だ。
真剣な心さえあれば、自然と技術も向上していき、本気度の高い人には、応援者・支援者が現れるものだ。
「腰を入れる」という言葉
日本から古来から「腰を入れる」という表現があった。
これは単に身体だけのことを言っているのではなく、心も定めるというような意味だろう。
例えば、ピアノを弾くときにも「腰」を入れることを意識して弾こうと意識していると音が変わるのに驚く😲
テクニックなんか重要じゃない
これだけネットが発達すると、ありとあらゆる情報が簡単に手に入る。
そうなると皆テクニックを勉強する。
テクニックや技術を知っただけで達人になれるなら、皆が成功する。
でも、現実はそうではない。
本質は信念だからなのだと思う。
成功する人は高い信念がある。
橋本環奈
アイドル時代、あるステージでメンバーから外されたのが納得いかず社長に直談判しステージ端に立たせてもらい、そこでたまたま撮られた写真が「奇跡の一枚」と言われ今をときめく女優となった。
ただ可愛いだけじゃなくて、どれだけ真剣に考えていたのだろう。
運命任せにせず自分で運命を切り開いたのだね。
伝説のタクシードライバー
長野県の山奥に小さなタクシー会社がある。
「中央タクシー株式会社」は、客の約9割が電話予約で占められ、流しの営業はしていないにも関わらず、「売上高で長野県内トップ」のタクシー会社だ。
「タクシー会社なのに、タクシーを乗り捨てた伝説の乗務員」のエピソードがある。
乗務員のAさんが、老夫婦を長野から成田空港まで送っている途中、高速道路の大渋滞に巻き込まれてしまった。
「このままではフライト時間に間に合わない……」
そこで、鉄道に乗り換えてもらうことに決め、最寄駅に向かった。
無事に駅に着いて客を降ろしたあと、何を思ったのか、Aさんもクルマを降りてしまった。
そして、この老夫婦と一緒に電車に乗って、成田空港まで向かったという。
なぜ、Aさんはクルマを乗り捨て、空港まで同行したのだろうか❓
それは、「東京駅で、お客様が迷わないため」だ。
Aさんは、「このお客様が、自分の両親だったらどうするか」と自問自答をして、「自分の両親なら、最後まで見送る」と答えを出した。
真剣になってますか❓
伝説のタクシードライバーのように、相手のことを思い、僕も同じように真剣になっているだろうか❓
夢中になって書いてきた、このブログが誰かの心に届くのかな❓
僕の唱えるお経や、法話は感動を与えられているのだろうか❓
そう自問しながら、全力で全身全霊をかけて取り組んでよみう。
そうすれば必ず道は開かれる💪
真剣は伝わるものだから。
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