心の病気は脳の病気と考えられており、脳の病気には、脳の栄養状態をバランス良く保つことが最も重要だとされている。
最近では、食事療法や栄養療法、サプリメント療法がとても注目されている。
ナイアシンを始めたきっかけ
僕がナイアシンを知ったのは、統合失調症Lineグループ「すきゾ!」 で紹介されていたからだ。
そして、本を読んで色々勉強していくうちに、ナイアシンを試す気になった。

推奨量は3gだけど、1gでも効果があるかなと、飲んでいた。
そのときはあまり効果は感じなかったのだけど💦
しかし、食事も服薬もきちんとしていたのに再発してしまい、3度目の入院となってしまった。
このとき薬には限界があると思って、様々なサプリを試し、ナイアシンも1日3g窃取するようになった。

たしかに食事や栄養が重要という医師はいるよ。
実際に僕の患者でもビタミンの投与で幻聴が無くなった例もあるし。
それまでは、毎日のように夜になると、

俺、天才だ!
何でも出来る❗❗
というような、陽性症状が半年ぐらい飲み続けると全くなくなり、反動の陰性症状も軽くなった。
「ナイアシン」というのは、「ビタミンB3」のこと。
Wikipediaの、ナイアシンのページには、次のような説明が記載されている。
ビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがある。
欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じる。エネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素として重要である。
精神疾患とナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシンが欠乏すると「うつ病」「統合失調症」「不安障害」などの精神面の病気につながるのではないか?という点だ。
脳神経の働きを助け、錯乱、不眠、無気力、神経痛、偏頭痛などを予防し、統合失調症治療において効果が期待できる栄養素として、ナイアシンは注目されている。
ナイアシン(ビタミンB3)を中心とした栄養療法は、アメリカ、カナダでは受け入れられており、現在では精神科領域だけでなく広く一般医療においても治療の分野で応用されていている。
カナダのホッファー医師が言うには 『統合失調症は、ペラグラ(ナイアシン欠乏症)である』 とのこと。
もちろん他の栄養素も必要だが、ナイアシンは欠かすことができないため 『統合失調症の人には、ナイアシンは一生必要。それは、糖尿病の人に一生インスリンが必要なのと同じ。』 とホッファー博士は言っている。
ホッファーの臨床研究
1951年から1954年の間にナイアシンを投与された統合失調症患者すべてを、同時期にプラセボ・電気けいれん法・インスリン昏睡・心理療法で治療された他の統合失調症患者すべてと比較した。
自殺者数(人) | よくなった(%) | ||
1群 | 入院中も退院後もナイアシンを受けた人たち | 0 | 78 |
2群 | 退院後にナイアシンを受けた人たち | 0 | 80 |
3群 | 入院中にナイアシンを受けた人たち | 0 | 81 |
4群 | ナイアシンを全く受けなかった人たち | 4 | 60 |
1・2・3のビタミン群の患者1人当たり入院日数は平均234日。
4群の患者1人当たりの入院日数は平均319日。
ナイアシンは治療が早ければ早いほど効く
日本で栄養療法の第一人者である藤川徳美医師によると、ナイアシン+ビタミンC 療法の有効率は70~80%で、多くの症例で劇的な改善を示す。
- 発病後1年以内なら、1ヶ月程度で完治して抗精神病薬投与が不要となる症例が多い。
- 発病後5年程度なら、数ヶ月程度で抗精神病薬を大幅に減量出来る。
- 発病後10年程度なら、1年程度で抗精神病薬を減量出来る。
- 発病後20年程度なら、この治療を数年単位で行うことで精神症状は改善する(ただし減薬はかなり困難)。

ナイアシン療法は否定されているんじゃ?
1973年の米国精神医学会はホッファーの研究に対して極めて否定的な結論を残している。
しかしその報告書は「ビタミンを非常に限定して(ナイアシンだけ)論じ、その理論の1つか2つの側面しかとりあげていない。その論述は部分的に誤りであり、その結論は正しくない。」とホッファー自身が反論している。
ナイアシンの種類
ナイアシンは「ニコチン酸」と「ニコチン酸アミド」という物質の総称。
この「ニコチン」とはタバコに含まれる「有毒なニコチン」とは、全く異なる。
それなのに「ニコチン酸」という呼び名では、勘違いする人が多くややこしいので、「ナイアシン」という呼び名を使うようになったそうだ。
ナイアシン
植物性の食品中に存在し、肝臓に取り込まれた後、ニコチン酸アミドに変換され、各組織に運ばれる。
過剰摂取により顔の紅潮や皮膚が痒くなるなどの「ナイアシンフラッシュ」が起こるこがある。
ナイアシンアミド
動物性の食品中に存在し、肝臓以外の組織に運ばれた後、余ったものが肝臓に取り込まれる。
過剰摂取により胃腸障害などが起こることがある。
摂取する成分により過剰摂取の症状が異なる。
フラッシュフリーナイアシン
フラッシュフリーナイアシンはナイアシンをイノシトールと結合させたもので、ナイアシンフラッシュをしにくい。
ナイアシンタイムリリース
ナイアシンタイムリリースは薬剤をコーティングすることで経口投与後すぐに消化されて血中 に入らないようにする。
これもナイアシンフラッシュが起こりにくい。
ナイアシン | フラッシュフリー ナイアシン |
ナイアシン アミド |
ナイアシン タイムリリース |
|
---|---|---|---|---|
紅潮・発疹 | あり | なし | なし | 少しあり |
血糖値 | 上昇 | 上昇 | 低下 | 上昇 |
血圧 | 低下 | 低下 | ― | 低下 |
尿酸値 | 上昇 | 上昇させない | 少し上昇 | 少し上昇 |
胃のムカつき | あり | なし | 少しあり | 少しあり |
関節炎 | ― | ― | 効果あり | ― |
コレステロール | 低下 | 低下 | 低下させない | 低下 |
不眠 | ― | ― | 効果あり | ― |
肝臓への負担 | ややあり | なし | あり | 大 |
ナイアシンの効果・効能
睡眠障害に顕著な効果

消化器系の調子を整え丈夫にする働き
消化器系の調子を整え丈夫にする働きがある。
このため、ナイアシンをきちんと摂らないと、胃腸障害や下痢などを起こしやすくなってしまう。
ナイアシンを摂取してお酒を飲むと二日酔いになりづらいという報告もある。
ナイアシンは、アルコールをたくさん飲む人に特に不足しやすい栄養素。
夏にビールや冷酒をたくさん飲んで、胃腸が疲れ気味の人は、ナイアシンが心強い味方!
粘膜を正常に保つ効果
皮膚や粘膜を正常に保ち、皮膚炎、舌炎、口内炎、口角炎、口舌炎(舌のつぶつぶがなくなる)を予防する作用もある。
ナイアシンの摂取不足による代表的な疾患はペラグラという皮膚病。
ペラグラは、皮膚がカサカサに乾いて炎症を起こし、日焼けの後の様な黒ずみが現れ、消化器障害、精神神経障害をともなう恐ろしい病気で、ひどくなると痴呆をきたす。
顔、首、手など衣類から露出している部分の皮膚に紅班が見られるので自分自身でも簡単にペラグラを発見することができる。
中性脂肪やコレステロールの低下作用
炭水化物、脂肪、アルコールなどが代謝されエネルギーに変換される時の補酵素としても働く
このため、中性脂肪やコレステロールの低下作用が認めらる。
この効果がナイアシンに、安全で有効な物質という最大の名声を与えた。
コレステロール値を変えるためのナイアシンの使用は、医学に新しいパラダイム、すなわち予防のためだけではなく、治療のためのビタミンの使用というパラダイムを初めて作り出した。
ナイアシンと美容効果
ナイアシンを摂取すると血流量が増え、肌の調子が良くなり、アレルギーも出にくくなり、花粉症が治る人もいるとのこと。
その他
ナイアシンを投与すれば糖尿病患者の1/3でインスリン投与量を減らせる。
特に、1型糖尿病の人にはナイアシン服用を推奨される。
ナイアシン長期投与は、死亡率を11%減少させ、寿命を2年延ばす。
ナイアシンは、がんの化学療法、放射線治療の効果を高め、かつそれらの副作用を減弱させる。
ナイアシンは傷ついたDNAを修復する。 ナイアシン不足では、DNA変異が増大する。
「潜在性ナイアシン不足」は、女性や高齢者では非常に多い。
約40%のがん患者ではナイアシン不足が見られる。
ナイアシンの副作用
ナイアシンを経口過剰摂取しても、消化管および尿経由で速やかに排出されるので、かなり安全性は高く一生涯にわたって摂取できる。
ナイアシンフラッシュ
ナイアシンを大量に摂取すると身体が火照って赤くなったり、かゆみが出たり「ナイアシンフラッシュ」という副作用が起こることがある。
人に依っては救急車を呼ぶレベルらしい。

神経過敏
ナイアシンには脳の働きを活性化させる作用がある。
これは、血管を拡張して血行を促進させることで脳の働きに大切な栄養や酸素をしっかりと送ることで得られる効果。
しかし、過剰摂取によって必要以上に脳が活性化されてしまうと神経過敏の症状に悩まされることもある。
眠れなくなったり、希死念慮が出たり、神経過敏になってイライラを感じやすくなったり、不安などを強く感じるようだったら、サプリメントの摂取は慎重にした方が好い。
肝臓に負担
ナイアシンは肝臓に負担が掛かりやすいので、いきなり高容量から始めると人に寄っては血液検査の肝臓の数値が悪くなることがある。
しかしこうした数値上昇は、肝臓の働きが活発になっていることを示すもので、潜在している肝臓病変を示すものではない。
ホッファー医師
高用量のナイアシンを服用すると、GOTやGPTなどの肝臓酵素が通常の2~3倍に上昇することがある。これは、肝細胞の障害ではなく、ナイアシン投与による肝臓酵素機能が亢進し、一時的に肝臓酵素が血液中に放出されたものに過ぎない。血液検査5日前からナイアシンを中断しておけば検査データは正常化する。
藤川徳美医師
僕の場合はいきなり500mg×2から始めたが、半年ほど経った後の血液検査では正常値だった。
LINEグループで500mg×2から開始した人では1月後の血液検査の肝臓の値が急激に悪化し、精密検査が必要なレベルと言われ、ナイアシンを止めると血液検査では正常値に戻ったそうだ。
ナイアシン療法を試したい人は、ナイアシンアミド500mgや低容量100mgのナイアシンから始めることが無難で、どちらにしても血液検査は必ず受けよう!
血圧の低下
高血圧の人はナイアシンには血圧を下げる効果があるから良いが、もともと低血圧の人が飲むと更に血圧が下がってしんどい想いをすることになる。

私は低血圧なので、日に日に悪くなっていったように思います。
本当に怖かったです。
血圧の低い人が大量にナイアシンを摂ると副作用がでてきついと思います。
ナイアシンが体から抜けたとしても、血圧や調子がもどるまで時間がかかります。
低血圧気味だが、どうしてもナイアシンを試してみたいという人は、上方の表にあるように血圧の変動がないナイアシンアミドを試してみるのも良いかと思う。
ナイアシンを始めたい方に
最初はカプセルタイプのナイアシン 500mgを頼んでみた。
フラッシュで身体がポカポカして気持ちよかった。
次に試しにフラッシュしにくい「ナイアシンタイムリリース」を試してみた。
が、胃腸の調子が悪くなったり、吐き気がしたりした。
僕の場合は普通のナイアシンが合っているようだ。
睡眠の質が良くなり、陰性症状も嘘のようになくなる。
また、フラッシュフリーやナイアシンアミドでも敏感な方は身体がほてったりするそうだから、まずはナイアシンを試してみてあまりにも身体に合わなかったらフラッシュフリーのナイアシンアミドにすれば好いと思う。
ナイアシンは試してみる価値はある
ナイアシンは安価なサプリメントだし、効果を感じている人も多いし、試してみる価値はあるかもしれない。
ナイアシンの摂取量は藤川徳美医師の記事を参考に。

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