
哲学者アルフォンス・デーケンに依ると、死とは「肉体の死」だけではなく、他に「心理的な死」「社会的な死」「文化的な死」があるという。
愛する人、大切な人の死は、遺されたものにとって「小さな死」のようなものだそうだ。
統合失調症も同様に「小さな死」で、発症した直後は言うなれば「肉体の死」以外の死を経験したかのような絶望がある。
自分のやってきた事はゼロになった・・・。
もう無理だ・・・。
生きていけない・・・😢
しかし、それは同時に精神的成長へのきっかけとなる。
だんだん割り切って捉えられるようになってきて、切り替えて新しい人生をスタートしようと、以前より心も洗練されて成長して今を生きている。
精神的な成長までの12段階
デーケン氏は、悲嘆から立ち直る過程を12段階に分けて考えているという。
1 否認
最初の段階は「否認」
現実を受け止められない。
「自分がなぜ統合失調症になったのか?」「これは夢を観ているのではないか?」など自分自身を受け入れられず、親や環境や自分に対して強烈に否定的な感情や強い怒りを抱いてしまう。
一条の光も届かない深海の底にいるような、苦しさ。
この時期が1番辛かったように思う。
10 あきらめ「受容」
しかし、それを紛れもない事実として認識して回復していくと、あるとき「あきらめ(受容)」の段階にたどり着く。
日本語の「諦める」は「明らめる」が語源で、自分の置かれた状況を「明らか」にして受け入れ、辛い現実に勇気を持って直面しようとしはじめる。
僕の場合は「しょがないことだったんだな」という諦めにも似た感情が湧き起こって来たが、今考えるとそれが「受容」の段階だったと思う。
11 新しい希望・ユーモアと笑いの再発見
そして、11番目の段階は「新しい希望・ユーモアと笑いの再発見」
しばらくの間は、感情鈍麻もあり、笑ったり面白いという感情が全く分からなくなくなってしまった。
しかし、悲観のプロセスの中で笑いを再発見することは、立ち直りに向けて重要な課題だ。
今では以前と変わらず笑うことも出来るようになったが、それには統合失調症Lineグループ「すきゾ!」 が大変に力になった。
通話やオフ会などで交流していると、辛かった陽性症状の時期を笑い話にして、腹がよじれるほどに笑えることもある。
「すきゾ!」グループに参加して状態が大幅に改善された方も多いし、興味があれば是非ご参加下さい (_ _)
12 新しいアイデンティテイーの確立
最後の段階は、「新しいアイデンティテイーの確立」
今までは「統合失調症の自分」という受け入れがたいアイデンティテイーだったのが、統合失調症を乗り越えた1人の人間として新しいアイデンティテイーを探求していくことになる。
統合失調症は新たな自分になる過程
たとえば千年、一度も光が入ったこともなく闇に閉ざされた部屋があったとする。
もし、この部屋に少しでも光が入れば一瞬にして明るくなる。
千年も闇に閉ざされていたからといって、千年の光が必要ということではない。
光が入れば闇は破れ、今ここすぐに明るくなる。
統合失調症を経験して成長する
統合失調症は、絶望から新しいアイデンティテイーを確立する過程だと捉えている。
病気になったのはどこか無理をしている生き方をしているからで、統合失調症を通して以前よりも、精神的に洗練されて成熟して心理的な成長した自分になれる!
「苦難というのは、それを乗り越えるだけの力がある人にしかやってこない」との名言もある。
死にたくなるほど辛い時期も確かにあるけど、やがては新しい自分になれるのは約束されているから、希望を失わないで1歩1歩焦らずに回復していくことを。
心より祈っています。
