
統合失調症から理想的に回復するためには、良質な睡眠が1番重要だと思う。
陰性症状が酷いときには、ただ長い時間眠ることしか出来なくて、背中が床ずれするぐらい眠っていたことがある。
しかし、睡眠に関しては、努力しなくとも、ちょっとした工夫で、ビックリする程に睡眠の質が上がることがある。
睡眠不足は統合失調症の陽性症状に繋がりやすい
小さな部屋に人を閉じ込め、絶えず光や甲高い音を浴びせて、眠らせない拷問があるという。
これを繰り返されると、いかに強靱な人も睡眠を取ることが出来ず、精神がズタズタに切り裂かれ、ついには、発狂するという。
睡眠は身体を休めるだけではなく、頭と精神にとっても絶対に必要なことだ。
眠らなかったら統合失調症発症
僕の場合、統合失調症になる前は、もっと効率良く、もっと睡眠時間を削って、出来れば眠らないで活動したいと考えていた。
気合いや根性があれば、睡眠不足にも打ち勝てると信じていたからだ。
そして5日ほど眠らなかったら、妄想や幻聴や幻覚・認知機能障害などの症状が強く出てしまい、統合失調症になってしまった。
陽性症状になると眠らないでも大丈夫!と感じることもあるかもしれないが、良質な睡眠は絶対に必要だということを忘れないで欲しい!
2回目の入院ではぐっすり一晩眠ったら回復したといわれた
2回目の入院の時も、仕事が面白くなって睡眠時間を削っていた。
しかも間が悪いことに、「これ以上眠らなかったらやばい!」と感じたときに限って、兄から「飲み会が終わったから迎えに来て」と電話で起こされ、迎えに行くという生活をしていた。
慢性的な睡眠不足で、そのうちに陽性症状の誇大妄想が出て、家族に連れられてそのまま入院した。
書類にサインして、すぐにジプレキサ5mgを飲まされて、ベッドで眠った。
夕方から翌日の昼まで、食事も取らず、泥のように眠った。
目が醒めると、医師の他に看護師など数名が心配そうに僕のことを観ていた。
先生と言葉を交わすと、そこにいた皆が安心したようだった。
後でそこにいた看護師に聞くと、「昨日は話の脈絡がなくて喋れなかったけど、一晩眠ったら回復したね。やっぱ眠るのって大事だわ。」と言われた。
幻聴も睡眠不足で酷くなることがある
幻聴の原因は様々だが、睡眠不足が続くと幻聴が酷くなるという方も多い。
良質な睡眠は、脳にとってとても大切!
陰性症状のときは脳を回復するために過眠傾向になりやすい
陽性症状は脳がダメージを受けるほどに酷使されたということだ。
岡田尊司著「統合失調症 その新たなる真実」には、統合失調症は前頭前野の過剰な活動亢進によってもたらされると紹介されている。
少し前までは、機能低下と活動性低下は同義語だと考えられていた。
ところが、近年、統合失調症の機能低下は、前頭前野の過剰な活動亢進によってもたらされていると考えられるようになっている。
つまり、頭が働きすぎることが、機能低下を引き起こしてしまうのだ。考えすぎて、結局何も考えられないというのが、統合失調症の思考回路が陥った状態なのである。
こうした状態では、過剰な活動を鎮めてほどほどに働くようにすることで、むしろ機能が回復するのである。
そのためその後にやってくる陰性症状では、やる気が起こらなかったり、何もする気がしなかったり、睡眠に逃避しがちだったりと活動力は低下する。
陰性症状のときには眠れば眠るだけ回復する

陰性症状のときに眠れるだけ眠った方が予後が良いよ。
という医師もいる。
昼夜逆転だったり異常なほどの過眠になったら、常識とは違っても、そのときの心と身体が求めるリズムというのが最良ってことだ❗
その時期を超えると自然なやる気で動けるようになる。
睡眠環境を整えることで更に回復は早くなる!
睡眠も今までと同じようにしていたのでは、もったいない。
ちょっとしたグッズを使ったり、寝付きが悪かったり熟睡感を感じられない人は安易に睡眠薬に頼るよりもサプリや漢方を使うのも好いかも知れない。
睡眠薬は依存性や耐性があるものが多く、断薬の際に離脱症状が酷く辞めることが難しくなる。
睡眠薬は最後の手段として一時的な使用に留めることを考えた方が良い。
