
最近の研究では、統合失調症の脳の働きについても、段々と分かってきている。
簡単に言うと、脳が過剰に働いている状態。
認知的脱抑制
創造性の源泉について研究してきた心理学者や脳科学者が最近注目しているのが、天才と変人の関係だ。
創造性に富む人々は、しばしば奇妙な思考や振る舞いをする。
海外のアートフィールドで活動していたけど、有名な芸術家って日本だったら精神病院にいるタイプだなって思ったことは何回もある。
独創性と変人を関係づけるカギを握っているのは、脳が持つ情報のフィルター機能だという。
脳には膨大な量の信号が感覚器官を介して入ってくる。これらすべてに注意を払っていては訳が分からなくなってしまう。
そこで脳には精神的なフィルター装置があり、そのおかげで脳での大半の情報処理は意識せずに済んでいる。このフィルターの働きが弱まっている状態を「認知的脱抑制」という。
クリエーティブな人と、そうでもない人それぞれのグループで心理学実験を行ったところ、前者のグループが認知的脱抑制の傾向を示しやすいことがわかった。
認知的抑制が弱まると、様々な情報を意識に上らせることが可能になり、これがうまく処理されると、創造的な発想が生まれるという説明が可能だ。
創造性に富む人たちは一方で、社会生活上で必要なことをおざなりにして、自分の世界に没入する傾向がある。
これは認知的フィルターの働きが弱いため、意識が様々な刺激で過密になり、そちらに関心が向かってしまっていると説明できる。
こうした傾向は脳画像や脳波測定の実験によっても裏付けられている。
統合失調症の患者や、統合失調型と呼ばれる人々は、こうしたフィルター機能が低下している傾向があり、彼らがとっぴな考えをしたり、幻覚を見たりすることとの関係が想定できる。
前頭前野の活動亢進
岡田尊司著「統合失調症 その新たなる真実」には、統合失調症は前頭前野の過剰な活動亢進によってもたらされると紹介されている。
少し前までは、機能低下と活動性低下は同義語だと考えられていた。
ところが、近年、統合失調症の機能低下は、前頭前野の過剰な活動亢進によってもたらされていると考えられるようになっている。
つまり、頭が働きすぎることが、機能低下を引き起こしてしまうのだ。考えすぎて、結局何も考えられないというのが、統合失調症の思考回路が陥った状態なのである。
こうした状態では、過剰な活動を鎮めてほどほどに働くようにすることで、むしろ機能が回復するのである。
情報のフィルターがあって、普通の人は無意識に自分に必要のない情報は排除できるけど、統合失調症の人はそのフィルターにが働かないので、すべての情報をとりいれてしまい脳はパンク状態になってしまう。
脳が活動しすぎて、オーバーヒートして活動停止してしまうようなイメージだ。
普通の人なら気にならない、ちょっとした問題が、本人にとっては大問題となる。
目の中に小さな埃が入ったように、過剰に反応してしまう。
統合失調症という才能
統合失調症Lineグループ「すきゾ!」 を運営しているのだけど、びっくりするほど才能に溢れて、自分が興味あることは突き抜けている人が多い。
繊細な感覚と爆発的な才能や行動力で、まだ僕らには生きづらいこの世の中でがんばって生きているような人が多い印象だ。
これほどの繊細な感覚を保っていると、現代の鈍感でがさつな社会では生きにくいこともあるだろう。
しかし、この常人には理解できないほどの繊細な感覚は、これから新しいより幸せな世界を創っていくための大きな力となると確信している。
こちらもよく読まれています🎵